お寺で葬儀を行うときの流れと費用|準備から注意点まで徹底解説

  • 葬儀・葬式の基礎知識

2025年12月1日

お寺で葬儀を行うときの流れと費用|準備から注意点まで徹底解説

身内が亡くなり、お寺で葬儀を執り行うことを検討されている方にとって、具体的な流れや必要な費用、何から始めればよいかがわからず不安を感じることは少なくありません。寺院葬は格式を重んじる伝統的な葬儀形式であり、菩提寺との連携や葬儀社との調整など、通常の葬儀とは異なる配慮が必要です。本記事では、臨終から納骨までの時系列に沿った具体的な手順、費用の内訳と相場、事前準備や注意点を包括的に解説します。お寺での葬儀について全体像を理解し、菩提寺や葬儀社と適切に連携しながら、故人を敬い遺族も納得できる葬儀を滞りなく執り行うための実務的な情報を提供いたします。

お寺で葬儀とは

お寺で葬儀を執り行う形式は、寺院葬と呼ばれる伝統的な葬送方法です。現代では葬儀会館や斎場での葬儀が増えていますが、菩提寺とのつながりを重視する家庭や格式ある葬儀を望む場合に選ばれています。寺院葬は単に場所を寺院にするだけでなく、檀家としての関係性や宗派の作法が深く関わる葬儀形式です。

寺院葬の定義と特徴

寺院葬とは、寺院の本堂や檀信徒会館などの施設を使用して執り行う葬儀形式のことを指します。一般的な葬儀会館とは異なり、寺院という宗教的な空間で故人を送ることができるため、荘厳な雰囲気の中で葬儀を執り行えることが大きな特徴です。本堂には本尊が祀られており、仏教的な儀式としての意味合いが強く、格式の高さが感じられます。

寺院葬では、その寺院の僧侶が導師として葬儀を取り仕切ります。菩提寺で行う場合は、代々お世話になっている僧侶が儀式を執り行うため、故人と寺院との深いつながりを参列者にも示すことができます。また、寺院の設備や環境によっては、通夜から葬儀・告別式まで一貫して同じ場所で執り行える利便性もあります。

寺院によって対応可能な参列者数や設備は異なりますが、伝統的な仏式の作法に則った葬儀を執り行いたい場合には最適な選択肢となります。檀家であれば、寺院との信頼関係に基づいた手厚いサポートを受けられることも特徴の一つです。

お寺で葬儀が選ばれる理由

お寺で葬儀が選ばれる主な理由は、宗教的な意味合いと格式を重んじる姿勢にあります。菩提寺との代々の関係を大切にする家庭では、先祖と同じ寺院で葬儀を執り行うことが自然な選択となります。特に檀家として長年お世話になっている場合、寺院での葬儀は故人への最後の敬意を表す重要な儀式です。

本堂という荘厳な空間で行われる葬儀は、一般の葬儀会館では得られない精神的な充足感をもたらします。仏像や荘厳な内陣に囲まれた環境は、故人の冥福を祈る場として格別の雰囲気を醸し出します。また、僧侶との距離が近く、葬儀に関する相談や法要の手配がスムーズに進む点も選ばれる理由です。

経済的な観点からも、檀家であれば会場使用料が抑えられる場合があり、費用面でのメリットを感じる家庭もあります。さらに、地域に根差した寺院での葬儀は、地域コミュニティとのつながりを保つ意味でも重要な役割を果たしています。

檀家と非檀家での違い

檀家と非檀家では、寺院葬を行う際の対応や費用に大きな違いがあります。檀家とは、特定の寺院を経済的に支援し、その寺院の宗派に帰依する家庭のことを指します。檀家の場合、代々の墓が寺院にあり、法要や葬儀の際には優先的に対応してもらえる関係性が築かれています。

檀家であれば、寺院施設の使用において優遇されることが一般的です。会場使用料が不要または割安になる場合が多く、僧侶との事前の信頼関係により、葬儀の進行もスムーズです。また、戒名の授与や四十九日法要など、葬儀後の法要についても継続的なサポートを受けられます。

非檀家の場合でも寺院葬を行えることはありますが、寺院によって対応は大きく異なります。受け入れてくれる寺院を探す必要があり、檀家になることを求められる場合もあります。費用面でも、入檀料や高額なお布施が必要になることがあるため、事前の確認が不可欠です。非檀家の場合は、宗派が合致しているか、寺院の方針として外部からの葬儀を受け入れているかを確認する必要があります。

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お寺で葬儀の流れ

お寺で葬儀を執り行う際の流れは、臨終直後から納骨まで複数の段階に分かれています。各段階で適切な対応を行うことで、故人を敬い参列者にも満足いただける葬儀を実現できます。ここでは時系列に沿って、それぞれの段階で必要な手続きと所要時間を具体的に解説します。

連絡と遺体の搬送・安置

臨終を迎えた直後、最初に行うべきは医師による死亡確認と死亡診断書の取得です。病院で亡くなった場合は医師が直ちに対応してくれますが、自宅で亡くなった場合は速やかに救急車を呼ぶか、かかりつけ医に連絡します。死亡診断書は役所への死亡届提出や火葬許可証の取得に必要な重要書類です。

死亡確認後、葬儀社に連絡して遺体の搬送を依頼します。搬送先は自宅やお寺または葬儀社の会館となり、適切な安置環境を整えます。遺体安置の際は、北枕または西枕に寝かせます。室温は18℃以下に保ち、必要に応じてドライアイスを使用して遺体の保全を図ります。安置期間中は、遺族が故人と最後の時間を過ごす大切な時間となります。

安置後、菩提寺に連絡します。まず故人の逝去を伝え、葬儀可能日時を相談します。葬儀日程は僧侶の予定を最優先に決定する必要があります。事前に火葬場の空き状況を葬儀社に確認することで、円滑に葬儀日程が決定出来ます。

安置と並行して、役所への死亡届の提出も進めます。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があり、火葬許可証の発行を受けるために必須の手続きです。多くの場合、葬儀社が代行してくれますが、必要書類の準備は遺族が行います。

打ち合わせと葬儀プランの決定

遺体の安置が済んだら、菩提寺と葬儀社それぞれと詳細な打ち合わせを行います。菩提寺との打ち合わせでは、宗派の作法に基づいた葬儀形式、戒名の授与、法要の内容などを確認します。特に戒名については、故人の生前の信仰や社会的立場を考慮しながら、僧侶と相談して決定します。

葬儀社との打ち合わせでは、葬儀の規模や予算、必要なサービスを具体的に決めていきます。主な検討項目には、参列者数の見込み、祭壇の規模と装飾、棺や供花の選定、通夜振る舞いや精進落としの料理、返礼品の内容などがあります。見積もりを確認しながら、予算内で最適なプランを選択します。

寺院での葬儀の場合、会場設営や音響設備などを葬儀社と寺院で調整する必要があります。本堂の広さや設備の制約を考慮し、祭壇の配置や参列者の動線を事前に確認します。寺院によっては、使用できる設備や持ち込み可能な物品に制限がある場合もあるため、詳細な打ち合わせが重要です。

打ち合わせの際には、通夜や葬儀の開始時刻、火葬場の予約、初七日法要を葬儀当日に行うかどうかなど、スケジュール全体を確定させます。また、受付係や会計係など、親族の役割分担についても決定します。喪主は挨拶文の準備も並行して進める必要があります。

納棺と通夜の進行

納棺は通夜の2~3時間前に行われるのが一般的で、所要時間は30分から1時間程度です。故人を清め、死装束に着替えさせた後、棺に納めます。この際、遺族や親族が立ち会い、故人との最後の対面の時間を持ちます。納棺の儀式では、故人の愛用品や思い出の品を副葬品として一緒に納めることができます。

副葬品の選定には注意が必要です。火葬の際に問題となる金属、ガラス、プラスチック、電子機器などは入れることができません。燃えるものに限定され、手紙や写真、布製品、木製品などが適しています。また、厚みのある本や大量の副葬品は火葬時間が延びる原因となるため、適度な量に抑える配慮が必要です。

通夜は通常、18時から19時頃に開始されます。現代では一晩中行う本通夜ではなく、1〜3時間程度の半通夜が一般的です。開始時刻の1時間前までに喪主や遺族は会場に集合し、受付係への挨拶や最終確認を行います。僧侶が到着した際には、丁寧に挨拶をし、必要に応じて控室に案内します。

通夜の進行は、僧侶による読経から始まり、喪主、遺族、親族、一般参列者の順で焼香を行います。焼香の順序は厳密に守られ、故人との関係性の深い順に進められます。読経と焼香が終わった後、僧侶から法話をいただくこともあります。通夜終了後は、通夜振る舞いとして参列者に食事や飲み物を提供し、故人を偲ぶ時間を共有します。

葬儀と告別式の進め方

葬儀・告別式は通常、通夜の翌日午前中から正午頃に執り行われます。開始の5〜10分前には喪主と遺族が着席し、僧侶の入場を待ちます。葬儀は仏教儀式としての宗教的な側面が強く、告別式は故人との最後の別れを告げる社会的な儀式という位置づけです。実際には両者を一連の流れとして執り行うことが一般的です。

葬儀は導師による読経で始まります。読経の中で、最も重要な儀式である引導渡しが行われます。引導とは、故人に戒名を授け、仏の道へと導くための儀式です。僧侶が法語を唱え、故人の成仏を願う荘厳な瞬間です。この儀式は寺院葬の核心部分であり、格式高い雰囲気の中で執り行われます。

引導渡しの後、通夜と同様に焼香が行われます。喪主から始まり、遺族、親族、一般参列者の順に進みます。焼香が一巡した後、弔辞や弔電の紹介が行われる場合もあります。葬儀・告別式全体の所要時間は40分から60分程度が標準的です。

告別式の最後には、別れ花の儀式が行われ、参列者が棺の中に花を手向けます。これは故人と最後の別れを告げる大切な時間であり、遺族や親族だけでなく、希望する参列者も参加できます。別れ花が終わると棺を閉じ、出棺の準備に入ります。出棺の際、喪主が位牌を、他の遺族が遺影を持ち、棺は親族の男性を中心に霊柩車まで運びます。

火葬と初七日など法要の手順

出棺後、棺は霊柩車で火葬場へ運ばれます。喪主や遺族、親しい親族は火葬場に同行しますが、同行できる人数には制限があるため、事前に確認が必要です。一般参列者は火葬場に同行せず、葬儀会場で解散となるか、後の精進落としの席に招かれることもあります。

火葬場に到着すると、再度短い読経や焼香が行われた後、火葬が開始されます。火葬には通常1時間から2時間程度かかり、その間、遺族は控室で待機します。火葬が終わると、骨上げ(収骨)の儀式を行います。二人一組になって箸を使い、遺骨を骨壷に納めていきます。地域によって収骨の方法や納める骨の量が異なる場合があります。

収骨後、埋葬許可証が発行されます。これは後日、墓地に納骨する際に必要となる重要書類です。火葬場から戻った後、精進落としの席を設け、僧侶や参列者をもてなします。この席では、喪主が挨拶を行い、葬儀への協力に感謝を述べます。

近年では、初七日法要を葬儀当日に繰り上げて執り行う「繰り上げ初七日」が一般的になっています。本来、初七日は故人が亡くなってから7日目に行う法要ですが、遠方からの参列者の負担を考慮し、葬儀当日に行うケースが増えています。寺院での法要を終えた後、会食の席で故人を偲び、参列者との交流を深めます。

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お寺で葬儀にかかる費用

お寺で葬儀を執り行う際の費用は、複数の項目から構成されています。大きく分けると、寺院へ支払う費用、葬儀社へ支払う費用、飲食接待に関する費用の3つに分類されます。総額は葬儀の規模や内容によって大きく変動するため、事前に詳細な見積もりを取り、予算を明確にしておくことが重要です。

寺院へのお布施と戒名費用

お布施は、僧侶に葬儀や法要を執り行っていただいたことへの謝礼として渡す金銭です。お布施には明確な定価がなく、地域や寺院、檀家との関係性によって相場が異なります。一般的な相場としては、通夜・葬儀・初七日を含めて15万円から50万円程度が目安とされています。

戒名料は、故人に授けられる仏教上の名前である戒名に対する費用です。戒名には位があり、院号や居士・大姉などの格式によって費用が大きく異なります。一般的な信士・信女の場合は10万円から30万円程度、居士・大姉では30万円から50万円程度、院号付きになると50万円以上になることも珍しくありません。

檀家の場合は、これまでの寺院との関係性から、比較的明確な相場が示されることが多いです。不明な場合は、寺院に直接相談するか、親族の経験を参考にすることをおすすめします。お布施と戒名料は、葬儀開始前または終了後に、奉書紙に包むか白封筒に入れて、丁寧に手渡します。

お布施以外にも、僧侶の車代として5千円から1万円程度、御膳料として5千円から2万円程度を別途用意することが一般的です。これらは僧侶が火葬場に同行しない場合や、精進落としの席に参加されない場合に渡します。

寺院使用料と祭壇・備品費

寺院施設を使用する際の費用は、檀家であるかどうかで大きく変わります。檀家の場合、寺院使用料が不要または数万円程度の名目的な金額で済むことが多いです。一方、非檀家の場合は、10万円から20万円程度の使用料を求められることもあります。寺院によって方針が異なるため、事前の確認が必須です。

祭壇や備品については、葬儀社が手配することが一般的です。寺院の本堂で行う場合、既に本尊や荘厳具が整っているため、一般の葬儀会場と比べて祭壇を簡素にできる場合があります。ただし、参列者数や希望する格式に応じて、葬儀社が用意する祭壇や供花の規模は調整されます。

祭壇費用は、シンプルなもので10万円程度から、豪華なもので100万円以上まで幅広く設定されています。最近では、生花祭壇が主流となっており、故人の好みや季節の花を使った祭壇が人気です。寺院での葬儀の場合、本堂の雰囲気に調和した祭壇を選ぶことで、より荘厳な空間を演出できます。

その他、椅子やテーブル、音響設備、照明などの備品費用も発生します。寺院に既存の設備がある場合は、それを利用することで費用を抑えられますが、追加で必要な設備があれば葬儀社が手配します。これらの費用は葬儀社の見積もりに含まれるため、詳細を確認しながら不要なものは削減することも可能です。

葬儀一式費用と飲食接待代

葬儀一式費用には、棺、骨壷、遺影写真、受付用品、看板、案内板、受付記帳セット、会葬礼状、返礼品などが含まれます。また、遺体の搬送費用、遺体保全のためのドライアイス代、納棺用品、式場設営費、司会進行費、スタッフ人件費なども含まれます。これらを総合すると、基本的な葬儀一式で50万円から100万円程度が相場です。

飲食接待費は、通夜振る舞いと精進落としの2つの機会に必要となります。通夜振る舞いは、通夜終了後に参列者に提供する軽食や飲み物で、一人当たり2千円から5千円程度が目安です。精進落としは、火葬後に僧侶や親族、世話役などをもてなす正式な食事で、一人当たり3千円から1万円程度が相場となります。

飲食費は参列者数によって大きく変動するため、正確な人数把握が費用管理の鍵となります。事前に参列予定者の概数を把握し、葬儀社と相談しながら適切な量を発注します。余った場合は持ち帰り用に包むこともできますが、不足すると失礼にあたるため、やや多めに準備するのが一般的です。

返礼品については、会葬礼状と一緒に渡す即返し品と、香典額に応じた後返し品があります。即返し品は1,500円~3,000円程度の品物が一般的で、お茶や海苔、タオルなどが選ばれます。後返し品は香典額の半額から3分の1程度を目安に、後日送付します。

費用を抑える方法と注意点

寺院での葬儀費用を抑えるには、いくつかの工夫があります。まず、参列者数を絞ることで、飲食費や返礼品の費用を大幅に削減できます。家族葬形式にして、親族と親しい友人のみで執り行う選択肢も検討する価値があります。ただし、後から弔問に訪れる方への対応が必要になる点は留意が必要です。

祭壇や供花の規模を見直すことも効果的です。寺院の本堂という格式ある空間を活かし、過度に豪華な祭壇にしなくても十分に荘厳な雰囲気を演出できます。葬儀社の担当者と相談し、必要最小限の設備で済ませる方法を検討しましょう。また、複数の葬儀社から見積もりを取り、比較検討することも重要です。

費用を抑える際の注意点として、お布施や戒名料については安易な値下げ交渉は避けるべきです。これらは僧侶への感謝の気持ちを表すものであり、あまりに少額では失礼にあたります。寺院との関係性を損なわないよう、適切な金額を包むことが大切です。不明な場合は、寺院に直接相談するか、葬儀社のアドバイスを受けましょう。

火葬のみの直葬を選択すれば大幅に費用を削減できますが、菩提寺との関係がある場合は慎重に判断する必要があります。宗教儀式を省略することで、後の法要や納骨を断られる可能性もあります。費用削減と故人への敬意、寺院との関係維持のバランスを考えながら、適切な葬儀形式を選択することが重要です。

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お寺で葬儀の準備と手続き

お寺で葬儀を執り行うためには、事前の準備と適切な手続きが不可欠です。菩提寺との調整、葬儀社の選定、必要書類の準備、参列者への連絡など、多岐にわたる作業を限られた時間内に進めなければなりません。ここでは、喪主や遺族が行うべき具体的な準備と手続きについて解説します。

菩提寺との打ち合わせでは、葬儀の形式、戒名の位、通夜や葬儀での読経の内容、初七日法要を繰り上げるかどうかなどを確認します。また、寺院施設を使用する場合の設備や収容人数、駐車場の有無、控室の確保なども併せて確認しておきます。寺院によっては、葬儀社の指定や持ち込み制限がある場合もあるため、詳細な打ち合わせが必要です。

菩提寺がない場合や遠方にある場合は、葬儀社に僧侶の手配を依頼することもできます。ただし、その場合は宗派を明確に伝え、後の法要や納骨についても相談しておく必要があります。手配した僧侶と新たな檀家関係を結ぶかどうかも、事前に検討しておくべき事項です。

葬儀社との役割分担と見積もり

葬儀社の選定は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。知人の紹介、インターネットでの評判確認、複数社からの見積もり取得などを通じて、適切な葬儀社を選びます。菩提寺が特定の葬儀社を推薦している場合は、その業者を優先的に検討します。

葬儀社との打ち合わせでは、葬儀の規模、予算、希望する内容を明確に伝えます。寺院での葬儀であることを伝えると、葬儀社は寺院との調整も含めて対応してくれます。見積もりを取る際は、項目ごとの内訳を明確にしてもらい、追加費用が発生する可能性がある項目についても確認します。

葬儀社との役割分担を明確にすることで、準備がスムーズに進みます。葬儀社は、遺体の搬送と安置、納棺、祭壇設営、式進行、受付設営、返礼品準備、飲食手配、火葬場手配などを担当します。一方、喪主や遺族は、参列者への連絡、喪主挨拶の準備、受付係などの役割分担、故人の写真選定、副葬品の準備などを行います。

見積もりには、基本プラン料金と追加オプション費用が含まれます。基本プランでカバーされる内容を確認し、必要に応じてオプションを追加します。予算オーバーを防ぐため、優先順位をつけて検討することが大切です。また、支払い方法や支払い時期についても事前に確認しておきます。

遺族の役割と必要な書類

遺族が担う役割は多岐にわたります。喪主は葬儀全体の代表として、各種決定や挨拶を行います。喪主以外の遺族も、それぞれ役割を分担して準備を進めます。主な役割には、受付係、会計係、接待係、駐車場案内係、弔問対応係などがあります。親族間で事前に役割を決めておくことで、当日の混乱を避けられます。

葬儀に必要な書類の準備も重要な作業です。最も重要なのは死亡診断書で、これをもとに死亡届を提出し、火葬許可証を取得します。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に、故人の本籍地または死亡地、届出人の住所地のいずれかの市区町村役場に提出します。多くの場合、葬儀社が代行してくれますが、署名捺印が必要な部分は遺族が行います。

その他の必要書類として、届出人の印鑑、身分証明書などがあります。また、葬儀後の各種手続きに備えて、年金手帳、健康保険証、介護保険証、運転免許証、各種契約書類なども準備しておきます。これらは葬儀後の行政手続きや契約解除に必要となるため、まとめて保管しておくと便利です。

参列者への連絡も遺族の重要な役割です。親族、友人、勤務先、近隣住民など、故人と関わりのあった方々に訃報を伝えます。連絡方法は、電話、メール、SNS、回覧板など状況に応じて使い分けます。訃報には、故人の氏名、享年、逝去日時、通夜と葬儀の日時と場所、喪主名、連絡先を明記します。

会場設営と参列者対応の手配

寺院での葬儀の場合、会場設営は葬儀社と寺院が協力して行います。本堂のスペースを考慮しながら、祭壇の位置、参列者の座席配置、受付の設置場所、焼香台の配置などを決定します。参列者の動線を考慮し、スムーズに進行できるレイアウトを検討します。

受付の設営では、芳名帳、香典受け、会葬礼状、返礼品などを準備します。受付係は早めに到着し、準備を整えてから参列者を迎えます。受付では、参列者への挨拶、芳名帳への記入案内、香典の受け取りと確認、会葬礼状と返礼品の手渡しを行います。受け取った香典は、その場で金額を確認し記録しますが、封を開けるのは後日にします。

参列者への対応として、駐車場の確保と案内、控室の準備、トイレの場所案内なども重要です。特に寺院の場合、参列者が不慣れな場所であることが多いため、わかりやすい案内表示や誘導係の配置が必要です。高齢の参列者のために、椅子席を用意したり、段差のある場所にスロープを設置したりする配慮も検討します。

通夜振る舞いや精進落としの会場準備も並行して進めます。寺院内に適切な会場があればそれを利用し、ない場合は近隣の施設を手配します。料理の発注、席次の決定、飲み物の準備などを葬儀社と調整します。僧侶用の控室には、お茶やお菓子を用意し、快適に過ごせる環境を整えます。

代替案としての葬儀会館や自宅葬との比較

寺院葬以外の選択肢として、葬儀会館での葬儀があります。葬儀会館は、葬儀に特化した設備が整っており、空調、音響、照明などが完備されています。バリアフリー対応も進んでおり、高齢者や障がい者にも優しい環境です。また、駐車場や控室も十分に確保されており、参列者の利便性が高い点が特徴です。

葬儀会館では、日程の融通が利きやすく、希望する日時で葬儀を行える可能性が高まります。宗派や形式にとらわれず、自由な演出やオリジナルの葬儀を実現できる柔軟性もあります。音楽葬や献花式など、現代的な葬儀スタイルを取り入れたい場合には最適です。ただし、寺院葬のような宗教的な荘厳さや格式は得にくい面があります。

自宅葬は、故人が住み慣れた自宅で葬儀を行う形式で、アットホームな雰囲気が特徴です。費用を抑えられる可能性があり、家族や親しい友人だけで静かに故人を見送りたい場合に適しています。ただし、自宅のスペースや設備の制約があり、大人数の参列者を受け入れることは困難です。また、近隣への配慮や遺体安置の環境整備など、様々な課題があります。

それぞれの葬儀形式には特徴があり、故人の遺志、遺族の希望、予算、参列者数、宗教観などを総合的に考慮して選択することが重要です。寺院葬は伝統と格式を重んじる方に、葬儀会館は利便性と自由度を求める方に、自宅葬は少人数で親密な葬儀を望む方に適しています。

項目寺院葬葬儀会館自宅葬
格式・雰囲気荘厳で宗教的現代的で機能的アットホーム
費用檀家なら抑えられる中程度から高額比較的抑えられる
日程の自由度僧侶の都合に左右される比較的自由自由
設備・利便性寺院により差がある充実している限定的
参列者数中規模まで対応可能小規模から大規模まで少人数のみ
向いている人檀家・伝統重視利便性・自由度重視家族葬希望

上記の表は、各葬儀形式の特徴を比較したものです。自身の状況や価値観に照らし合わせて、最適な選択をすることが大切です。

まとめ

お寺で葬儀を執り行うことは、伝統的な格式と宗教的な意義を重んじる葬送方法です。本記事では、臨終から納骨までの具体的な流れ、費用の内訳と相場、必要な準備と注意点について包括的に解説しました。

寺院葬を成功させる最大のポイントは、菩提寺への早期連絡と適切な調整です。僧侶のスケジュールを最優先に日程を決定し、その後葬儀社と詳細を詰めていく流れが重要です。費用面では、お布施や戒名料、会場使用料、葬儀一式費用、飲食接待費など、複数の項目を事前に把握し、予算を明確にしておくことが必要です。

寺院葬には、荘厳な雰囲気や僧侶との信頼関係というメリットがある一方、日程の制約や設備面の課題というデメリットも存在します。檀家であれば手厚いサポートを受けられますが、非檀家の場合は受け入れ先を探すこと自体が課題となります。故人の遺志、遺族の希望、経済状況、宗派などを総合的に考慮し、最適な葬儀形式を選択することが大切です。

お寺での葬儀は、故人を敬い、先祖とのつながりを大切にする伝統的な送り方です。本記事の情報を参考に、菩提寺や葬儀社と適切に連携しながら、故人にふさわしい葬儀を執り行っていただければ幸いです。

どのような葬儀形式を選ぶ場合でも、葬儀費用の不安解消と安心できる葬儀の実現には、明確な料金体系と充実したサポート体制の両立が求められます。ちゃんとしたお葬式では、必要なものが全て含まれた定額プランをご用意しており、参列者によって変動するおもてなし費用や式場利用料以外には、追加料金を一切かけずにお葬式ができます。大切な方とのお別れを心穏やかに迎えられるよう、明瞭な料金でご家族に寄り添います。葬儀に関するご相談は、こちらから無料でお問い合わせいただけます。

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