葬祭扶助制度とは?生活保護で葬儀費用を支給|申請方法と支給額を解説
- 葬儀・葬式の基礎知識
2026年1月30日

経済的に困窮している状況で大切な方が亡くなった際、葬儀費用の負担が大きな不安となります。しかし、生活保護制度には「葬祭扶助」という制度があり、一定の条件を満たせば葬儀費用の支援を受けることができます。
本記事では、葬祭扶助制度の基本的な仕組みから受給条件、支給内容、申請手続きの流れまで、制度を利用する際に知っておくべき情報を詳しく解説します。
葬祭扶助とは
葬祭扶助は、経済的に困窮している方が故人の葬儀を執り行う際に、その費用を公的に支援する制度です。生活保護制度の一環として位置づけられており、遺族の経済的負担を軽減し、誰もが最低限の葬儀を執り行えるよう整備されています。
葬祭扶助の定義
葬祭扶助とは、生活保護法に基づいて実施される公的扶助の一つで、葬儀を執り行うための費用を支給する制度です。この制度は故人が生活保護受給者であった場合など、経済的に困窮状態にある場合に適用されます。
制度の目的は、経済的理由によって葬儀が行えない状況を防ぎ、故人を尊厳をもって送り出すための最低限の手段を保障することにあります。葬祭扶助は葬儀費用の大部分をカバーするため、経済的に困難な状況にある遺族にとって重要な支援となります。
支給される費用には火葬料や骨壺、遺体の搬送費用など、葬儀に必要な基本的な項目が含まれます。ただし、豪華な祭壇や高額な返礼品など、必要最低限を超える費用は対象外となります。
葬祭扶助の法律的根拠と制度の仕組み
葬祭扶助は生活保護法第18条に規定された制度で、生活保護制度における8つの扶助のうちの一つとして法的に定められています。この法律に基づき、各自治体の福祉事務所が制度の運営と審査を担当しています。
制度の仕組みとしては、申請者が市区町村の福祉事務所に申請を行い、ケースワーカーが申請者の経済状況や申請内容を審査します。審査の結果、要件を満たしていると判断されれば、葬祭扶助が支給される流れとなります。
葬祭扶助が対象とする公的範囲と適用例
葬祭扶助の適用範囲は、生活保護受給者や生活困窮者が葬儀を執り行う場合に限定されています。具体的には、故人が生活保護を受けていた場合、または喪主となる方が経済的に困窮している場合が該当します。
典型的な適用例としては、生活保護を受給していた単身者が亡くなり、親族が葬儀費用を負担できない場合が挙げられます。また、故人に扶養義務者がいない、または扶養義務者が経済的に困窮しているため葬儀費用を負担できない場合も対象となります。
葬祭扶助の目的と社会的意義
葬祭扶助制度の目的は、経済的困窮を理由に葬儀が行えない状況を防ぎ、すべての国民が故人を尊厳をもって送り出せるようにすることです。日本国憲法第25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を具現化した制度の一つといえます。
社会的意義としては、経済格差が葬送の場面にまで影響することを防ぎ、社会の安全網として機能している点が挙げられます。経済的理由で葬儀が行えなければ、遺体の処理や火葬に支障が生じ、公衆衛生上の問題にもつながりかねません。
また、葬儀は故人との別れの儀式であると同時に、遺族の心の整理や悲嘆のプロセスにおいても重要な役割を果たします。経済的困窮にある方にも葬儀を執り行う機会を保障することで、精神的な負担を軽減できる可能性があります。
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葬祭扶助の受給条件と対象者
葬祭扶助を受給するためには、一定の条件を満たす必要があります。制度の適用範囲は法律で定められており、申請者の経済状況や故人との関係性などが審査の対象となります。
生活保護受給者である場合
葬祭扶助の受給条件は、生活保護を受けているなど経済的に困窮しており、資産などで葬儀費用をまかなえない場合です。故人が生活保護を受けていた場合、その葬儀費用は原則として葬祭扶助の対象となります。
喪主が生活保護受給者の場合も、葬儀費用を自己負担できないと認められれば葬祭扶助を利用できます。ただし、生活保護受給者であっても、ある程度の預貯金や資産がある場合には、まずそれらを葬儀費用に充てることが求められます。
また、生活保護を受けていなくても生活困窮者と認められれば、葬祭扶助の対象となる可能性があります。この場合、収入証明書や預貯金の状況を示す書類などを提出し、経済的に困窮していることを証明する必要があります。
扶養義務者の有無に関する基準
葬祭扶助の審査では、故人に扶養義務者がいるかどうかが重要な判断基準となります。扶養義務者とは、民法上の規定により故人を扶養する義務を負う親族のことで、配偶者、直系血族、兄弟姉妹などが該当します。
扶養義務者が存在し、その方に十分な経済力がある場合には、原則としてその扶養義務者が葬儀費用を負担すべきとされます。したがって、経済力のある扶養義務者がいる場合には、葬祭扶助は適用されません。
一方で、扶養義務者が存在していても、その方自身が生活保護受給者であったり、経済的に困窮している場合には、葬祭扶助の対象となります。また、扶養義務者ではない第三者が葬儀を執り行う場合にも、一定の条件のもとで葬祭扶助を受けられる可能性があります。
葬祭扶助の対象外となる代表的なケース
葬祭扶助には明確な適用基準があり、一定の条件を満たさない場合には対象外となります。最も代表的なケースは、経済的に余裕のある扶養義務者が存在する場合です。この場合、その扶養義務者が葬儀費用を負担すべきとされます。
また、喪主となる方に一定額以上の預貯金や資産がある場合も、葬祭扶助は適用されません。生活保護制度では、申請者が保有できる資産に上限が設けられており、その基準を超える資産を持っている場合には、まずそれを葬儀費用に充てることが求められます。
さらに、既に葬儀を執り行った後に申請した場合も、原則として葬祭扶助は受けられません。葬祭扶助は必ず葬儀を執り行う前に申請することが制度上の要件となっているため、事後申請は認められないのです。
その他、国民健康保険や社会保険から支給される埋葬料や埋葬費などの給付金を受け取れる場合には、まずそれらの制度を優先的に利用することが求められます。葬祭扶助はあくまで最後のセーフティネットとして位置づけられています。
遺族以外が葬儀を手配する場合の葬祭扶助の扱い
身寄りのない方が亡くなった場合や、遺族が葬儀を執り行えない状況では、民生委員や近隣住民などの第三者が葬儀を手配することがあります。このような場合でも、一定の条件を満たせば葬祭扶助を利用できます。
第三者が葬儀を執り行う場合の条件としては、故人に扶養義務者がいないこと、または扶養義務者がいても連絡が取れない、もしくは経済的に困窮しているなどの理由で葬儀費用を負担できないことが挙げられます。
申請の際には、第三者が葬儀を執り行わざるを得ない理由を説明し、故人と扶養義務者との関係性を示す書類などを提出する必要があります。第三者による申請の場合は故人の住所地を管轄する福祉事務所に申請することになります。
民生委員が葬儀を手配する場合には、日頃から地域の生活困窮者の状況を把握している立場として、福祉事務所との連携もスムーズに進むことが多くなります。いずれの場合も、葬儀前に必ず福祉事務所に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。
支給内容と葬儀でできること
葬祭扶助で支給される金額や対象となる葬儀の範囲は、法律と各自治体の基準によって定められています。必要最低限の葬送を保障するという制度の趣旨から、支給内容には一定の制限があります。
支給される金額の目安と算定方法
葬祭扶助で支給される金額は、各自治体によって異なりますが、厚生労働省が定める基準額をもとに算定されます。一般的には、大人の場合で最大21万9千円、子どもの場合は17万5千2百円と設定されており、地域によって変動します。
算定方法としては、火葬料、遺体の搬送費、納棺費用、骨壺代など、葬儀に必要な基本的な項目ごとに上限額が定められており、それらを合計した金額が支給されます。支給額は必要最低限の葬儀を執り行うための実費相当額であり、一般的な葬儀費用の平均額よりは低額に抑えられています。
なお、支給額は葬儀社が作成する見積書に基づいて決定され、地域によっても異なるため、事前に葬祭扶助に対応している葬儀社を選び、適切な見積書を作成してもらうことが重要です。
葬祭扶助で認められる葬儀の種類と範囲
葬祭扶助が対象とする葬儀は、必要最低限の葬送を行うための範囲に限定されています。最も一般的なのは直葬または火葬式と呼ばれる形式で、通夜や告別式を行わずに火葬のみを執り行う簡素な葬儀です。
直葬では、故人を安置した後、火葬場に直接搬送して火葬を行います。葬祭扶助の支給額は、この直葬を執り行うために必要な費用を基準に設定されているため、通夜や告別式を伴う一般的な葬儀を行うことは経済的に困難です。
対象となる具体的な項目としては、以下のようなものが含まれます。遺体の搬送費用、ドライアイスなどの遺体保全費用、納棺に必要な棺や納棺用品、火葬場の利用料金、骨壺や骨箱などの必需品、遺体の搬送に使用する寝台車やバンの費用などです。
葬祭扶助では宗教的儀式を含まない最低限の火葬が基本となりますが、遺族の希望により僧侶を呼んで読経を依頼することは可能です。ただし、その費用は支給対象外となるため、自己負担となります。
葬祭扶助で対象外の費用
葬祭扶助はあくまで火葬を執り行うために必要な最低限の費用を支給する制度であるため、対象外となる費用も多く存在します。特に宗教的な儀式や葬儀後の供養に関する費用は、基本的に支給対象外です。
僧侶へのお布施や戒名料は、宗教的な儀式に関わる費用として葬祭扶助の対象外となります。戒名は数万~数十万円かかることもあり、経済的に余裕がない場合には戒名を付けずに俗名のまま供養することも一つの選択肢です。
また、墓地の購入費用や墓石の建立費用も対象外です。納骨に関しても、葬祭扶助では骨壺までが支給対象であり、その後の納骨堂や永代供養の費用は含まれません。遺骨を自宅で保管するか、低価格の納骨施設を探す必要があります。
四十九日法要などの葬儀後の法要費用、香典返しや返礼品の費用、会葬者への飲食接待費なども対象外です。葬祭扶助は火葬までの基本的な葬送に特化した制度であり、それ以外の費用については別途検討する必要があります。
自己資金の併用可否と注意点
葬祭扶助を利用する際は、原則として自己資金の併用は不可とされています。自己資金がある場合は、まかなえない分のみ葬祭扶助が支給されます。
葬祭扶助で支給された金額に自己資金を投じて、葬儀の規模などを拡大することはできないため、注意が必要です。
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申請手続きと実務の流れ
葬祭扶助を利用するためには、適切な申請手続きを行う必要があります。申請のタイミングや必要書類、実務上の流れを理解しておくことで、スムーズに制度を利用できます。
申請先と必要書類一覧
葬祭扶助の申請先は、申請者の立場によって異なります。故人の親族が申請する場合には、申請者の現住所を管轄する市区町村の福祉事務所または役所の福祉課が窓口となります。一方、扶養義務者ではない第三者が申請する場合には、故人の住所地を管轄する福祉事務所に申請します。
申請に必要な書類は以下の通りです。申請書は各自治体で所定の様式があり、福祉事務所の窓口で入手します。また、故人の死亡診断書または死体検案書が必要です。原本の提示が求められますが、自治体によってはコピーでも受理されることがあります。
申請者の身分証明書も必要で、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などが該当します。さらに、申請者と故人の関係を示す書類として戸籍謄本や住民票が求められることがあります。申請者の収入証明書も提出が必要で、給与明細や年金証書、通帳のコピーなどが該当します。
加えて、葬儀社が作成した見積書も必要です。見積書は葬祭扶助の支給額内で作成されたものである必要があるため、葬祭扶助に対応している葬儀社を選ぶことが重要です。自治体によっては追加の書類を求められることもあるため、申請前に窓口で確認しておくと安心です。
申請タイミングと事前に注意すべき点
葬祭扶助の申請は、葬儀を執り行う前に行うことが絶対条件です。制度上、葬儀後の事後申請は原則として認められていません。したがって、故人が亡くなったら速やかに福祉事務所に連絡し、申請手続きを開始する必要があります。
理想的なタイミングは、故人が亡くなった当日または翌日です。特に生活保護を受けていた方が亡くなった場合には、担当のケースワーカーに早急に連絡を取り、葬祭扶助の利用について相談しましょう。ケースワーカーは制度に精通しているため、適切なアドバイスを受けられます。
申請前に注意すべき点として、まず自分が申請条件を満たしているかを確認することが重要です。生活保護受給者であるか、生活困窮者として認定される状況にあるかを事前に把握しておきましょう。また、故人に扶養義務者がいるかどうか、その扶養義務者の経済状況はどうかも確認しておく必要があります。
さらに、葬祭扶助に対応している葬儀社を事前にリストアップしておくと、手続きがスムーズに進みます。すべての葬儀社が葬祭扶助に対応しているわけではないため、福祉事務所に相談して対応可能な葬儀社を紹介してもらうことも一つの方法です。
葬儀社が葬祭扶助を代行する際の手順と役割
葬祭扶助の申請は、葬儀社に代行してもらうことも可能です。多くの場合、葬儀社が申請手続きを代行することで、遺族の負担を大幅に軽減できます。特に葬祭扶助に慣れている葬儀社であれば、必要書類の準備から申請、審査までをスムーズに進めてくれます。
葬儀社に代行を依頼する場合、まず申請者は葬儀社に葬祭扶助を利用したい旨を伝えます。葬儀社はその申請に必要な書類を案内し、申請者は委任状を作成して葬儀社に提出します。委任状には申請者の氏名、住所、押印が必要です。
葬儀社は委任状と必要書類を持って福祉事務所に申請を行います。見積書の作成も葬儀社の役割で、葬祭扶助の支給額内で収まるように適切な内容で作成されます。申請後、福祉事務所から審査結果が通知され、承認されれば葬儀の実施に進みます。
葬儀社への代行依頼は遺族の精神的負担を軽減する効果もあります。故人を失った直後の混乱した状況の中で、複雑な申請手続きを自分で行うのは大きな負担となります。信頼できる葬儀社に任せることで、故人との最後の時間に集中できます。
支給決定後の支払い方法と実務上の流れ
葬祭扶助の支給が決定されると、実際の葬儀の実施へと進みます。支給決定通知書が福祉事務所から発行され、この通知書に基づいて葬儀が執り行われます。支払い方法は一般的に、葬儀社への直接支払いが採用されています。
実務上の流れとしては、支給決定後に葬儀の日程を確定し、火葬場の予約を行います。葬儀当日は葬儀社のスタッフが遺体の搬送から火葬まで一連の手続きをサポートしてくれます。火葬終了後は骨壺に遺骨を納め、その後の納骨は遺族の判断に委ねられます。
葬儀後には、葬儀社から領収書や明細書が発行されます。これらの書類は福祉事務所に提出する必要がある場合があるため、大切に保管しておきましょう。また、葬儀後の各種手続きについても、福祉事務所やケースワーカーに相談することで、適切なサポートを受けられます。
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まとめ
葬祭扶助は生活保護制度の一環として、経済的に困窮している方が故人の葬儀を執り行う際に費用を支給する重要な制度です。申請条件や手続きの流れを理解し、適切に利用することで、経済的負担を軽減しながら故人を尊厳をもって送り出すことができます。
- 葬祭扶助は生活保護法に基づく公的扶助で、葬儀費用の全額または大部分をカバーする制度
- 故人または喪主が生活保護受給者や生活困窮者である場合に適用され、扶養義務者以外の第三者による申請も可能
- 支給額は地域により異なり、直葬など必要最低限の葬儀を執り行うための実費相当額が基準
- 戒名料やお墓の費用、法要費用などは対象外であり、火葬までの基本的な葬送に特化している
- 申請は必ず葬儀前に行う必要があり、事後申請は原則として認められない
- 申請先は親族の場合は申請者の管轄福祉事務所、第三者の場合は故人の住所地管轄の福祉事務所
- 必要書類には申請書、死亡診断書、身分証明書、収入証明書、葬儀社の見積書などが含まれる
- 葬儀社への申請代行も可能で、遺族の負担を軽減できる
葬祭扶助の利用を検討されている方は、故人が亡くなったら速やかに福祉事務所またはケースワーカーに連絡し、制度の適用可否を確認してください。葬祭扶助に対応している葬儀社を選び、適切な見積書を作成してもらうことで、スムーズに手続きを進めることができます。
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