真言宗のお布施|封筒の書き方・金額相場・渡し方マナー
- お布施
2025年12月1日

真言宗の法要や葬儀で僧侶にお渡しするお布施は、金額の相場や封筒の書き方、渡し方のマナーなど、分からないことが多く不安に感じる方も多いでしょう。お布施は故人への供養と僧侶への感謝を表す大切な宗教的行為であり、失礼のないように準備したいものです。この記事では、真言宗におけるお布施の基本的な考え方から、具体的な金額相場、封筒の選び方や正しい書き方、そして僧侶へのお渡しの仕方まで、実践的なマナーを詳しく解説します。
真言宗のお布施の基本
お布施を正しく理解し準備するためには、まず真言宗における基本的な考え方を知っておくことが大切です。お布施の本質や宗教的な意味を理解することで、金額や形式だけでなく、心のこもった供養ができるようになります。ここでは真言宗におけるお布施の基本について、その意味や考え方、金額相場を順に見ていきましょう。
お布施とは何か
お布施とは、仏教における「布施」という修行の一つで、僧侶に対する感謝の気持ちを金銭や物品で表すものです。真言宗を含む仏教全般において、布施は「六波羅蜜」と呼ばれる重要な修行の第一に位置づけられています。
お布施は単なる料金や対価ではなく、読経や法要を執り行ってくださった僧侶への感謝と、故人への供養の気持ちを込めた宗教的な行為です。そのため、金額に厳密な決まりはなく、施主の経済状況や気持ちに応じてお渡しするのが本来の考え方とされています。
仏教では布施を通じて、自分自身の執着を手放し、他者への思いやりの心を育むことができるとされています。お布施をお渡しすることで、故人の冥福を祈るとともに、自分自身の修行にもなるという深い意味があるのです。
真言宗におけるお布施の考え方
真言宗は弘法大師空海が開いた密教の宗派であり、お布施についても独自の考え方があります。真言宗では、すべての行為が仏の教えを実践する修行であり、お布施もその一つとして重視されています。
真言宗では、お布施を通じて三宝(仏・法・僧)への感謝を示すとともに、故人が仏の世界へ導かれることを願う供養の心が大切にされています。僧侶が読経する際には、真言宗特有の陀羅尼や真言が唱えられ、その功徳が故人に届くと考えられています。
お布施の金額よりも、その心が重視されるのが真言宗の特徴です。高額であれば良いというものではなく、誠意を持って丁寧にお渡しすることが何より大切とされています。地域や寺院によって慣習が異なる場合もありますので、不明な点は菩提寺に事前に相談するのが望ましいでしょう。
お布施の金額相場
お布施の金額には明確な決まりはありませんが、法要の種類や地域によって一般的な相場が存在します。相場を知っておくことで、適切な準備ができ、安心して法要に臨むことができます。
真言宗における主な法要とお布施の相場は以下の通りです。
| 法要の種類 | お布施の相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 通夜 | 15万円〜30万円 | 葬儀と合わせた金額 |
| 葬儀・告別式 | 20万円〜50万円 | 戒名料を含む場合もある |
| 初七日法要 | 3万円〜5万円 | 葬儀と同日の場合は別途不要なことも |
| 四十九日法要 | 3万円〜5万円 | 納骨法要と合わせる場合もある |
| 一周忌 | 3万円〜5万円 | 法要の規模により変動 |
| 三回忌以降 | 1万円〜3万円 | 年忌が進むほど減額する傾向 |
上記の金額はあくまで目安であり、地域や寺院、戒名の位によって大きく異なる場合があります。特に戒名料については、信士・信女で10万円〜30万円、居士・大姉で30万円〜50万円、院号がつくと50万円以上になることも珍しくありません。
お布施以外にも、御車代(5千円〜1万円)、御膳料(5千円〜2万円)、卒塔婆料(3千円〜1万円)などを別途用意する必要がある場合があります。これらは地域の慣習や寺院の方針によって異なりますので、事前に葬儀社や菩提寺に確認しておくと安心です。
金額に迷った場合は、葬儀社や寺院に率直に相談することをおすすめします。多くの寺院では、施主の経済状況を考慮してくださいますので、無理のない範囲で誠意を示すことが大切です。
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お布施の封筒の選び方と正しい書き方
お布施をお渡しする際には、封筒の選び方や書き方にも細かなマナーがあります。適切な封筒を選び、正しい書き方でお渡しすることで、丁寧な印象を与え、故人への敬意も表すことができます。ここでは、封筒の種類から表書き・中袋の書き方、使用する墨や数字の書き方まで、詳しく解説していきます。
奉書紙・白封筒・水引の選び方
お布施を入れる封筒には、いくつかの種類があり、それぞれに使い分けのポイントがあります。最も丁寧な形式は奉書紙で包む方法ですが、白封筒を使用する場合も多く見られます。
真言宗では、白無地の封筒または奉書紙を使用するのが一般的で、水引については不要とする考え方が主流です。これは、お布施が祝儀や不祝儀とは異なる宗教的行為であるためです。
封筒の種類と特徴を以下にまとめます。
- 奉書紙:最も格式が高く、正式な形式。半紙に包んだお金を奉書紙で包む
- 白無地封筒:一般的によく使われる形式。郵便番号枠のないものを選ぶ
- 不祝儀袋:白黒や双銀の水引がついたもの。地域によっては使用することもある
地域や寺院によっては水引付きの封筒を使用する慣習がある場合もあります。特に関西地域では黄白の水引を使用することもありますので、不安な場合は事前に寺院や葬儀社に確認しておくと良いでしょう。
封筒は文房具店や仏具店、コンビニエンスストアなどで購入できます。お布施専用の封筒も市販されていますので、それらを利用するのも便利です。郵便番号枠や印刷された模様がない、シンプルな白無地のものを選ぶことが大切です。
表書きの書き方
封筒の表書きは、お布施の目的を明確に示す重要な部分です。書き方には一定のルールがあり、丁寧に記入することで、僧侶への敬意を表すことができます。
表書きは封筒の上部中央に「御布施」または「お布施」と縦書きで記入し、下部中央には施主のフルネームを書きます。「御布施」という表記がより丁寧で正式な形式とされていますが、「お布施」でも問題ありません。
表書きの書き方のポイントは以下の通りです。
- 封筒の中央上部に「御布施」と縦書きで記入する
- 封筒の中央下部に施主の氏名を縦書きで記入する
- 氏名はフルネームで書くのが正式
- 「御布施」の文字より施主名は小さめに書く
御車代や御膳料を別に用意する場合は、それぞれ別の封筒に「御車代」「御膳料」と表書きをします。卒塔婆料についても「卒塔婆料」または「御塔婆料」と記入した別封筒を用意します。これらも表書きの下部に施主名を記入するのを忘れないようにしましょう。
中袋の書き方
中袋がある封筒を使用する場合は、中袋にも適切な記入が必要です。中袋には表面に金額、裏面の左側に住所・氏名を記入することで、寺院側の記録や管理にも配慮することができます。
中袋の表面中央には「金〇〇圓」と縦書きで金額を記入し、裏面左下には施主の住所と氏名を記入します。金額は漢数字の旧字体(大字)を使用するのが正式なマナーとされています。
中袋への記入内容を詳しく見ていきます。
| 記入箇所 | 記入内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 表面中央 | 金額 | 「金〇〇圓」と旧字体で縦書き |
| 裏面左下 | 住所 | 郵便番号から番地まで正確に |
| 裏面左下 | 氏名 | 住所の下にフルネームで |
中袋がない封筒を使用する場合は、封筒の裏面左下に、右から住所・氏名・金額を縦書きで記入します。この場合も同様に、金額は旧字体を使用し、住所と氏名を正確に記入することが大切です。
寺院によっては、お布施の記録を帳簿に残す場合があります。住所と氏名を明記しておくことで、寺院側の事務処理にも配慮でき、後日何か確認が必要になった際にもスムーズに対応してもらえます。
墨や漢数字など書き方のマナー
お布施の封筒に文字を書く際には、使用する筆記具や数字の表記方法にもマナーがあります。これらの細かな配慮が、より丁寧で心のこもったお布施となります。
お布施の封筒には薄墨ではなく濃墨(普通の濃さの墨)を使用し、毛筆または筆ペンで丁寧に書くのが正式なマナーです。香典では薄墨を使用することもありますが、お布施は感謝の気持ちを表すものであるため、濃墨で書くのが適切とされています。
筆記具と書き方のポイントを以下にまとめます。
- 毛筆または筆ペンを使用する(ボールペンや万年筆は避ける)
- 濃墨で丁寧に書く(薄墨は使用しない)
- 楷書で読みやすく書く
- 文字の大きさや配置のバランスに注意する
金額を記入する際は、漢数字の旧字体(大字)を使用するのが正式です。これは金額の改ざんを防ぐためにも用いられてきた伝統的な表記方法です。
| 算用数字 | 通常の漢数字 | 旧字体(大字) |
|---|---|---|
| 1 | 一 | 壱 |
| 2 | 二 | 弐 |
| 3 | 三 | 参 |
| 5 | 五 | 伍 |
| 10 | 十 | 拾 |
| 1,000 | 千 | 阡または仟 |
| 10,000 | 万 | 萬 |
例えば、3万円の場合は「金参萬圓」、5万円の場合は「金伍萬圓」と記入します。「圓」は「円」の旧字体で、より正式な表記とされています。ただし、近年では「金参万円」のように、「万」と「円」を使用することも広く認められています。
字を書くのが苦手な方は、事前に練習するか、葬儀社に代筆を依頼することも可能です。最も大切なのは、丁寧に心を込めて準備する姿勢ですので、無理のない範囲で対応しましょう。
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お布施の渡し方
お布施を準備した後は、僧侶への渡し方にも適切なマナーがあります。金額や封筒の準備が整っていても、渡し方が不適切では失礼にあたる場合もあります。ここでは、新札の扱いから封筒の包み方、そして実際に僧侶へお渡しする際の作法まで、順を追って解説していきます。
新札の扱い方
お布施には新札でも古札でも問題ないとされており、場合によっては新札の方がよいこともあるため、事前に銀行で両替しておくことをおすすめします。香典では新札を避ける慣習もありますが、お布施は感謝を表すものであるため、新札が適切です。
新札を用意する方法としては、以下があります。
- 銀行の窓口で両替を依頼する
- 銀行のATMで新札を引き出す(新札対応ATMの場合)
- 郵便局の窓口で両替を依頼する
ただし、やむを得ず新札が用意できない場合は、できるだけきれいなお札を選び、軽くしわを伸ばすなどの配慮をすると良いでしょう。新札にこだわりすぎて法要の準備が遅れるよりも、心を込めて準備することが何より大切です。
中袋への入れ方
お札を封筒や中袋に入れる際にも、向きや並べ方に決まりがあります。正しい入れ方を知っておくことで、より丁寧な印象を与えることができます。
お札は肖像画が描かれている面を表側にして、封筒の表面側に向けて入れ、肖像画が上になるように揃えます。複数枚のお札を入れる場合は、すべて同じ向きに揃えることが大切です。
中袋へのお札の入れ方を詳しく説明します。
- お札の向きを揃える(肖像画の面を表、上下も統一)
- 封筒を表向きに置く
- お札の肖像画の面を封筒の表側に向けて入れる
- お札の肖像画が封筒の上部にくるように入れる
- 複数枚の場合はすべて同じ向きで重ねる
この入れ方は、封筒を開けたときに肖像画が最初に見える状態になるためです。そうすることで、ご本尊や僧侶への感謝を示すことができ、お札の向きが揃っていることで、受け取る側も丁寧な印象を持ちます。お札は折らずに、封筒のサイズに合わせて入れることも大切です。
中袋がある場合は、まず中袋にお札を入れてから封をし、その後外袋に入れます。中袋の封は糊付けする必要はなく、軽く折り込むだけで構いません。寺院側で金額を確認する際に開封しやすいよう配慮されています。
封筒の包み方
お布施の封筒は、袱紗に包んでお渡しするのが正式なマナーです。袱紗を使用することで、封筒が折れたり汚れたりするのを防ぎ、より丁寧な印象を与えることができます。
お布施を包むのには紫色の慶弔両用の袱紗を使用するのが一般的です。黒や灰色などの弔事専用の袱紗も使用可能です。赤やピンクなど明るい色の袱紗は祝儀専用なので避けましょう。
袱紗の包み方の手順は以下の通りです。
- 袱紗を広げて菱形に置く
- 封筒を表向きにして袱紗の中央やや右寄りに置く
- 袱紗の右側を封筒の上に折る
- 下側を上に折る
- 上側を下に折る
- 左側を右に折り込む
近年では、封筒を挟むだけで使える台付き袱紗や金封袱紗も広く使われています。これらは包む手間が省けて便利ですが、伝統的な包み方ができればより丁寧です。袱紗は仏具店やデパート、インターネットでも購入できますので、一つ用意しておくと様々な場面で使えて便利です。
僧侶への渡し方
実際に僧侶へお布施をお渡しする際には、タイミングや渡し方、お声がけにもマナーがあります。心を込めて丁寧にお渡しすることで、感謝の気持ちが伝わります。
お布施は法要の前または終了後に、袱紗から取り出して切手盆に載せて、お礼の言葉とともに僧侶にお渡しします。切手盆とは、祝儀や金封を載せて渡すための小さなお盆のことです。
お布施をお渡しする際の具体的な手順を説明します。
| タイミング | 渡し方 | お声がけ例 |
|---|---|---|
| 法要前 | 僧侶が到着された際に控室で | 「本日はよろしくお願いいたします」 |
| 法要後 | 法要が終了し、僧侶が退出される前に | 「本日は誠にありがとうございました」 |
| 会食なし | 御膳料も一緒に渡す | 「御膳料もお納めください」 |
渡し方の詳しい手順は以下の通りです。
- 僧侶の前に進み、一礼する
- 袱紗からお布施の封筒を取り出す
- 切手盆があれば封筒を載せ、なければ袱紗に載せて渡す
- 封筒の正面を僧侶側に向けて差し出す
- 感謝の言葉を述べながらお渡しする
- 再度一礼する
お声がけの例としては、「本日は心のこもったご供養をいただき、誠にありがとうございました。どうぞお納めください」「些少ではございますが、お礼のしるしでございます」などが適切です。形式的な言葉でも構いませんが、心を込めてお伝えすることが大切です。
御車代や御膳料を別に用意している場合は、お布施と一緒にお渡しします。その際は「こちらは御車代でございます」などと、それぞれの封筒について説明を添えると親切です。僧侶が辞退される場合もありますが、その際は無理に押し付けず、お気持ちを受け取っていただけるよう丁寧にお願いしましょう。
自宅での法要の場合は、僧侶に挨拶をするタイミングでお布施を渡すとよいでしょう。葬儀社や寺院での法要の場合は、担当者や寺院の指示に従ってお渡しするタイミングを確認しておくと安心です。不明な点があれば、事前に葬儀社や寺院に相談しておくことをおすすめします。
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まとめ
真言宗のお布施は、単なる金銭のやり取りではなく、故人への供養と僧侶への感謝を表す大切な宗教的行為です。金額の相場は法要の種類によって異なりますが、葬儀では20万円〜50万円、法事では1万円〜5万円程度が目安となります。戒名料や御車代、御膳料なども別途必要になる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
封筒は白無地のものを選び、表書きには「御布施」と施主名を濃墨で記入します。中袋には金額を旧字体で記入し、裏面には住所と氏名を明記することで、寺院側の記録にも配慮できます。お札は新札を用意し、肖像画を表にして封筒の表側に向けて入れるのがマナーです。
お渡しする際は、紫色などの袱紗に包み、法要の前後に切手盆または袱紗に載せて丁寧にお渡しします。感謝の言葉を添えることで、より心のこもったお布施となります。地域や寺院によって慣習が異なる場合もありますので、迷ったときは菩提寺や葬儀社に相談することをおすすめします。これらのマナーを守ることで、安心して法要に臨み、故人を心から供養することができるでしょう。
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