焼香の回数は何回?宗派別の正しいやり方・作法とマナーを分かりやすく解説
- 葬儀・葬式のマナー
2026年3月25日

「焼香は何回すればいいの?」——葬儀に参列する際、誰もが一度は抱く疑問ではないでしょうか。周囲の目が気になる中で、自分の番が近づくにつれて緊張が高まり、「間違えたらどうしよう」という不安を感じる方は少なくありません。実は焼香の回数には宗派ごとの違いがあり、知らないまま参列すると恥ずかしい思いをしてしまうこともあります。しかし、基本的なルールさえ押さえておけば、どなたでも自信を持って焼香に臨むことができます。
この記事では、宗派別の焼香の回数から具体的な作法・手順まで、初めての方にも分かりやすく解説します。
焼香の回数の基礎知識
焼香は単なる儀式上の動作ではなく、故人への敬意と弔いの心を表す大切な行為です。回数の意味を理解することで、形だけでなく心のこもった焼香ができるようになります。まずは焼香の本質的な意味と、実際の場面で役立つ基本的な知識を確認していきましょう。
焼香の回数の意味
焼香の回数には、仏教の教えに基づいた深い意味が込められています。1回の焼香には「一心に祈る」という意味があり、故人への純粋な弔いの気持ちを表します。2回の場合は「主香」と「従香」という考え方があり、最初の1回で香を焚き、2回目でその香りを確かなものにするという意味合いがあります。
3回の焼香は「仏・法・僧」の三宝に帰依する意味、あるいは「過去・現在・未来」の三世にわたって故人を供養する意味があるとされています。このように回数にはそれぞれ宗教的な根拠があり、宗派によって重視する教えが異なるため、焼香の回数も異なってくるのです。
ただし、最も大切なのは回数そのものではなく、故人を偲び、心を込めて手を合わせることです。形式にとらわれすぎて緊張するよりも、穏やかな気持ちで臨むことが故人への何よりの供養となります。
一般的な回数の目安
宗派が分からない場合や迷った場合は、1回または3回の焼香が無難です。多くの葬儀では、参列者全員が同じ宗派とは限らないため、回数よりも心を込めることが重視されます。
実際の葬儀では、最初に焼香を行う喪主や遺族の動作を観察し、それに倣うのが最も確実な方法です。また、葬儀社のスタッフが「1回でお願いします」などと案内してくれる場合もあります。時間の制約がある場合は、全員が1回ずつ行うよう指示されることも珍しくありません。
焼香の回数に絶対的な正解はなく、その場の状況や案内に従うことも大切なマナーの一つです。周囲と極端に異なる行動をとらないことで、式の進行を妨げることなく、スムーズに弔意を表すことができます。
焼香の回数の歴史
焼香の習慣は、仏教とともにインドから中国を経て日本に伝わりました。もともとインドでは気候が暑く、遺体の腐敗臭を消すために香を焚いたことが起源とされています。それが次第に宗教的な意味を持つようになり、仏前に香を供える供養の形式として確立されました。
日本に仏教が伝来した6世紀以降、焼香の習慣も広まりましたが、宗派によって解釈や作法が異なる形で発展していきました。特に鎌倉時代以降、浄土宗や浄土真宗、曹洞宗などの新しい宗派が生まれる中で、それぞれの教義に基づいた焼香の作法が確立されていったのです。
現代の葬儀では、伝統的な作法を守りながらも、参列者の負担や式の時間を考慮した柔軟な対応が求められるようになっています。形式よりも心を重視する傾向は、時代とともに強まっているといえるでしょう。
宗派不明時の回数の判断基準
葬儀に参列する際、故人や喪家の宗派が分からないケースは少なくありません。そのような場合でも、いくつかのポイントを押さえておけば、適切に対応することができます。
宗派が分からない場合の対処法
- 喪主や遺族の焼香を観察し、同じ回数で行う
- 葬儀社スタッフの案内に従う
- 迷った場合は1回で心を込めて行う
- 祭壇の飾りや僧侶の袈裟から宗派を推測する
祭壇に「南無阿弥陀仏」と書かれていれば浄土系の宗派、「南無妙法蓮華経」であれば日蓮宗系と推測できます。また、僧侶の袈裟の色や形にも宗派ごとの特徴があります。しかし、これらの知識がなくても、前述のように喪主に倣うか1回で行えば問題ありません。
ここまで焼香の基本的な考え方を理解したところで、次は具体的な宗派ごとの回数の違いを詳しく見ていきましょう。
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宗派別の焼香の回数一覧
日本の仏教には多くの宗派があり、それぞれが独自の教義と作法を持っています。焼香の回数も宗派によって異なり、その違いを知っておくことで、どのような葬儀に参列しても自信を持って対応できます。ここでは主要な宗派について、回数とその理由を解説します。
浄土真宗(西)
浄土真宗本願寺派(西本願寺)の焼香は1回です。抹香を右手の親指・人差し指・中指の3本でつまみ、額に押しいただかずにそのまま香炉に落とします。この「押しいただかない」という作法は、浄土真宗の教えに基づいています。
浄土真宗では、阿弥陀如来の本願によってすべての人が救われるという他力本願の教えが中心です。そのため、自分の功徳を積むために香を供えるのではなく、阿弥陀如来への感謝の気持ちを表す意味で焼香を行います。額に押しいただくことは自力の象徴とされるため、この宗派では行いません。
門徒(浄土真宗の信者)でない方が西本願寺派の葬儀に参列する場合でも、できれば宗派の作法に倣うことが望ましいですが、自分の宗派の作法で行っても失礼にはあたりません。
浄土真宗(東)
真宗大谷派(東本願寺)の焼香は2回です。西本願寺派と同じく、額に押しいただかずに香炉へ落とします。2回行う理由については諸説ありますが、1回目で香を焚き、2回目でその香りを確実なものにするという解釈が一般的です。
同じ浄土真宗でありながら東西で回数が異なるのは、歴史的な経緯による部分が大きく、教義上の大きな違いがあるわけではありません。どちらも阿弥陀如来への報恩感謝を表す行為として焼香を位置づけています。
東西の浄土真宗は門徒数が多いため、葬儀で遭遇する機会も多くなります。「押しいただかない」という共通点を覚えておくと、迷うことが少なくなるでしょう。
浄土宗
浄土宗の焼香は特に回数の決まりがなく、1回から3回まで認められています。抹香をつまんで額のあたりまで持ち上げる「押しいただく」動作を行ってから香炉に落とすのが作法です。
浄土宗では「念仏を唱えることこそが最も重要」という教えがあり、焼香の回数よりも心を込めて行うことが重視されます。そのため、回数に厳格な決まりを設けていません。実際の葬儀では、時間の都合などから1回で行うことが多くなっています。
浄土真宗との違いは「押しいただく」動作を行うかどうかです。浄土宗では押しいただくことで、故人や仏様への敬意を表します。
真言宗
真言宗の焼香は3回が基本です。抹香をつまみ、額に押しいただいてから香炉に落とす動作を3回繰り返します。3回という回数には「仏・法・僧」の三宝に帰依する意味、または「貪、瞋、痴」の三毒を清めるという意味が込められています。
真言宗は弘法大師空海が開いた密教系の宗派で、儀式や作法を重視する傾向があります。焼香においても、決められた回数と所作を丁寧に行うことが大切とされています。
ただし、参列者が多い葬儀などでは、1回に省略される場合もあります。葬儀社からの案内があればそれに従い、なければ3回で行うのが正式です。
曹洞宗
曹洞宗の焼香は2回が基本です。1回目は額に押しいただき、2回目は押しいただかずにそのまま香炉へ落とします。この2回の焼香にはそれぞれ意味があり、1回目を「主香」、2回目を「従香」と呼びます。
主香は仏様への供養を、従香は主香の香りを絶やさないようにするという意味があります。曹洞宗は座禅を重視する禅宗の一派であり、一つひとつの動作に心を込めて丁寧に行うことが求められます。
主要宗派の焼香回数まとめ
| 宗派 | 回数 | 押しいただく |
|---|---|---|
| 浄土真宗(西) | 1回 | しない |
| 浄土真宗(東) | 2回 | しない |
| 浄土宗 | 1〜3回 | する |
| 真言宗 | 3回 | する |
| 曹洞宗 | 2回 | 1回目のみする |
宗派ごとの回数を理解したところで、次は焼香を行う際の具体的な作法とマナーについて詳しく見ていきましょう。回数だけでなく、立ち居振る舞いも含めて身につけることで、より丁寧な弔意を表すことができます。
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焼香の回数の作法とマナー
焼香の回数を覚えていても、実際の場面では立ち方や座り方、数珠の持ち方など、多くのことに気を配る必要があります。ここでは、葬儀の形式に応じた所作のポイントと、参列時に気をつけたいマナーについて解説します。
立礼での所作
立礼焼香は、椅子席の葬儀会場で最も一般的に行われる形式です。参列者は順番が来たら立ち上がり、焼香台まで歩いて焼香を行います。
焼香台の前に進んだら、まず遺族に一礼をします。次に祭壇の遺影に向かって一礼または合掌をしてから、焼香を行います。焼香が終わったら再び遺影に向かって合掌し、一歩下がってから遺族に一礼をして席に戻ります。
立礼では、背筋を伸ばし、落ち着いた動作を心がけることが大切です。急いで済ませようとせず、かといって長く時間をかけすぎないよう、適度なペースで行いましょう。焼香台までの歩き方も、音を立てずに静かに移動することがマナーです。
座礼での所作
座礼焼香は、畳敷きの和室で行われる葬儀や、自宅での葬儀で用いられる形式です。正座の状態から立ち上がり、焼香を行います。
焼香台の前では正座の姿勢を整え、遺影に向かって一礼してから焼香を行います。焼香後は再び一礼し、立ち上がって自分の座っていた場所に戻ります。足が痺れやすい方は、焼香の順番が来るまでの間に軽く足を動かしておくとよいでしょう。
数珠の持ち方
数珠は仏教徒の法具であり、葬儀に持参することが望ましいとされています。焼香の際の数珠の持ち方にも基本的なマナーがあります。
焼香を行っていない時は、左手に持つのが基本です。数珠を親指と人差し指の間に掛け、房を下に垂らします。合掌する時は、両手を合わせた状態で数珠を掛けます。宗派によって数珠の形や持ち方が異なる場合もありますが、一般的な略式数珠であれば、左手に持ち、合掌時に両手に掛けるという作法で問題ありません。
数珠を畳や床に直接置くことは避け、使わない時はポケットや鞄にしまうか、手に持っておきましょう。また、数珠を持っていない場合でも、焼香を行うことに問題はありません。
葬儀での服装の配慮
焼香を滞りなく行うためには、服装への配慮も重要です。特に立ち座りや合掌の動作が多い葬儀では、動きやすさも考慮する必要があります。
葬儀における服装の基本
- 男性:黒のスーツ、白シャツ、黒ネクタイ、黒靴下、黒革靴
- 女性:黒のワンピースまたはアンサンブル、黒ストッキング、黒パンプス
- アクセサリーは結婚指輪と真珠のネックレス以外は控える
- 座礼の場合は、正座しやすいスカート丈を選ぶ
香水や整髪料など香りの強いものは控えましょう。焼香では香を焚くため、他の強い香りが混ざることは好ましくありません。
持ち物の配慮
葬儀に持参するものは必要最小限にとどめ、焼香時に邪魔にならないよう配慮しましょう。大きなバッグを持っている場合は、焼香時に座席に置いていくか、小さなサブバッグを用意しておくと便利です。
香典は袱紗に包んで持参し、受付で渡します。焼香の際に香典を持っている必要はありません。携帯電話は必ずマナーモードまたは電源を切っておきましょう。静粛な場で着信音が鳴ることは、遺族や他の参列者に対して大変失礼にあたります。
ここまで作法とマナーについて理解を深めてきましたが、実際の焼香の流れをイメージできると、さらに安心して臨むことができます。次は、焼香の具体的な手順を形式別に詳しく解説します。
焼香の回数の実際の手順と流れ
焼香の回数と作法を頭で理解していても、実際の場面では緊張してしまうものです。ここでは、焼香の一連の流れを形式別に詳しく解説します。事前にイメージトレーニングをしておくことで、当日も落ち着いて焼香に臨むことができるでしょう。
祭壇前での基本手順
どの形式の焼香でも、祭壇前での基本的な手順は共通しています。この流れを覚えておけば、どのような葬儀に参列しても対応できます。
焼香の基本手順
- 焼香台の前に進み、遺族に一礼する
- 祭壇の遺影に向かって一礼(または合掌)する
- 右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香をつまむ
- 宗派に応じて額に押しいただく(または押しいただかない)
- 香炉の中に静かに抹香を落とす
- 宗派に応じた回数だけ繰り返す
- 合掌して故人を偲ぶ
- 一歩下がって遺影に一礼する
- 遺族に一礼して席に戻る
抹香をつまむ量は少量で構いません。たくさんつまもうとすると落としてしまうこともあるため、指先でつまめる程度の量にしましょう。
立礼での流れ
立礼焼香の具体的な流れを、場面ごとに説明します。一般的な葬儀会場では、この形式が最も多く採用されています。
まず、自分の順番が近づいたら、前の方の焼香が終わるタイミングに合わせて席を立ちます。焼香台までの通路では、静かに歩き、前の方が戻ってくるのとすれ違う際に軽く会釈をします。
焼香台の前に立ったら、まず遺族席に向かって一礼します。次に祭壇の遺影に向き直り、一礼してから焼香を行います。焼香を終えたら合掌し、心の中で故人への弔いの言葉を述べます。その後、一歩下がって遺影に一礼し、遺族席に向かって再び一礼してから席に戻ります。
席に戻る際も、静かに歩くことを心がけましょう。席に着いたら、すぐに隣の方と話し始めることは控え、式の進行に集中します。
座礼での流れ
座礼焼香は和室での葬儀で行われます。立礼とは異なり、正座の姿勢での移動や焼香となるため、事前に流れを把握しておくことが大切です。
順番が来たら、正座の姿勢から立ち上がり、焼香台の前まで進みます。
焼香台の前に着いたら、着座し正座の姿勢を整えてから遺族に一礼、遺影に一礼し、焼香を行います。焼香後は合掌し、再び立ち上がり元の位置に戻ります。正座の姿勢から立ち上がることが難しい場合は、座椅子を使用しても問題ありません。無理をして転倒するよりも、安全を優先しましょう。
回し焼香の流れ
回し焼香は、スペースの制約がある会場や自宅葬で行われることがある形式です。参列者が席を立たず、香炉と抹香が入った焼香セットを順番に回していきます。
自分のところに焼香セットが回ってきたら、膝の上または座卓の上にセットを置きます。遺影に向かって一礼してから焼香を行い、合掌します。終わったら隣の方に焼香セットを渡すか、隣の方が取りやすい位置に置きます。
回し焼香では、焼香台まで移動する必要がないため、足の不自由な方や高齢の方にも負担が少ない形式です。ただし、香炉を倒さないよう注意が必要です。セットを受け取る時や渡す時は、両手でしっかりと持ちましょう。
焼香セットを回す順番は、喪主、遺族、親族、一般参列者の順となることが一般的です。自分の番が来るまでは、静かに待ちながら、前の方の焼香を見て作法を確認しておくとよいでしょう。
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まとめ
この記事では、焼香の回数について、宗派別の違いから具体的な作法、マナー、実際の手順まで詳しく解説してきました。浄土真宗(西)は1回で押しいただかない、真言宗は3回で押しいただくなど、宗派によって回数や所作が異なることをご理解いただけたかと思います。
最も大切なことは、回数や形式にとらわれすぎず、故人を偲び、心を込めて手を合わせることです。宗派が分からない場合は1回か3回で問題なく、喪主や遺族の焼香を参考にするのが最も確実です。事前に基本的な流れを把握しておけば、緊張することなく、穏やかな気持ちで故人を送ることができるでしょう。
突然の不幸に直面すると、葬儀の費用や段取りなど、焼香以外にも多くの不安が押し寄せてくるものです。そのような時こそ、信頼できる専門家に相談することが、心穏やかなお別れの第一歩となります。
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